「あたし、ひとにちょっとでも黒いとこ見ちゃうともうだめなのよねえ。」
オレが離婚を決意した妻の一言。
これは妻がオレに語った言葉ではあるが、オレに向けられた言葉ではない。
たしかにその頃妻は公然と浮気をしており、オレの気持ちも醒め切っていた。
しかし、子供もいることだし、と我慢を重ねていた。
この言葉は、彼女が「親友」と呼んでいた近所の奥さんに向けられたものだ。
妻はこの年上の奥さんにいろいろと深く世話になっていた。
彼女は浮気相手の男に対する妻の言行に対して自分を正当化しすぎる、と友人として苦言を呈していた(浮気に対する苦言でないところが泣ける)。それに対してかみついたのだ。
妻が言うには、彼女が付き合う他人は真っ白でなければならない、と。
少しでも(妻にとって)黒い部分があれば、それはもはや真っ黒と同じなのだと。
傲慢で自分勝手な妻らしいいいぐさだ。そして妻は彼女との付き合いを絶った。
そのとき、以前似たようなことがあったのを思い出した。
「高校のときの親友」と妻に紹介された友人が都合で披露宴に来られなくなった時、激怒した妻はその友人と絶交した。年賀状すら交わさなくなった。
気に入ればすぐに親友扱いするくせに気に入らなくなればさっさと切る。
この女は、どれほど付き合いを深めようが、些細な事柄で信頼関係を絶つ、そういう人間なのだと再確認した。
後悔は何年も前に済ませていたが、自分の見る目のなさに今更ながら呆れた。
このとき、いつかはわからないがこの妻とは別れよう、そう決意した。
もっとも、その翌年に些細なことでキレた妻に包丁で殺されかけたオレは早くも離婚を選択することになるのだが。
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- 2005/05/20(金) 00:00:00|
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