ソフマップ本館に行ったら試聴機が用意されてたので
pokeotoで聴いてみた。
インナーイヤーヘッドホン HA-FXT90 (ビクター公式) FXT90は、ハウジング内に中高音用と低音用のドライバユニットを並列に配置したビクターの野心作。
BAドライバの高級イヤホンで2ウェイ、3ウェイは珍しくないが、ダイナミック型のドライバでは非常に珍しい。
ただし2ウェイといってもネットワークなどを介するわけではなく、出音特性の違うドライバを2台同時に鳴らしているようだ。
デザインも2ドライバを強調するべくハウジングが半透明になっている。
で、肝心の音はというと、その外見に反して極めて普通な感じ。決して地味な音ではないのだけどある意味ビクターっぽくない音作りというか。
FXCシリーズなど他のビクターホンにあるような高音の尖りは抑えられていて柔らかく、どちらかというと高音の伸びがやや足りないかな、と感じるぐらい。
低音はかなり下からきちんと出てる感じで、そこそこ厚みのある中低音が安定感を出してる。こういう部分はビクターっぽい。
音の分解能とか精緻さという点ではダイナミック型ドライバの標準的なそれ。価格相応なレベル。そのせいか聴き疲れするようなごちゃごちゃした感じもしない。
比較的おとなしめの高音の出音に厚みを感じる中音、節度のあるカチッとした低音がなかなか心地よい。音場も割と広め。
音の普通さが異端を感じさせる、という点でSONYのEX90を思い出す。
遮音性とか音漏れは店内だったのでよくわからなかったが、他のレビューを読む限りそれほど気にするレベルではなさそう。
音量はFXCシリーズ同様やや取りにくい感じかな。
ちょうど、
FX500(どんぐり)、FXC71/51の試聴機が並んでいたので聴き較べてみた。
FX500は圧倒的に濃い音でやはり価格差だけのことはある。中低音の厚みにしろ高音の伸びにしろFXT90を凌駕している。FXT90を程々の厚み、とするならFX500は分厚い音。その濃密感ゆえ、開放感、という点ではFXT90が若干勝るかもしれない。
一方、低価格イヤホンの中ではバランス型の出音に分類されるFXC71/51だが、FXT90を聴いた後だとやや薄く尖った感じに聴こえる。もちろん単体で聴く分には価格以上の音質ではあるのだけど。FXT90と比較してしまうと、出音が硬い(特に高音部が)のでそのように聴こえるのだろうけどね。
価格的には8千円台後半~1万円ぐらいで出てるようだけど、音質的には1万円以下だったらまあいいんじゃねえの、っていうレベル。8000円を切るなら買いかな。
出音が普通すぎて、見た目以外に、これ!という売りが無いのが逆に弱点になるかも。
野心作ゆえ、FXCシリーズのように次のモデルでの進化を期待したい部分もある。
しかし、売れなかったらこれ一代限りで終わっちゃうかもしれないしなあ。
これまた野心作の野心作たる部分ではあり。
- 2011/05/05(木) 16:11:58|
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